カカオの演劇記録

演劇体験に関する記録です。本とかも紹介していけたらと思います。

即興実験学校Improlabo

 

1.即興実験学校Improlaboとは

2.即興実験学校に参加した動機

3.当日のワークについて

 1)基本情報

 2)ワークの内容

4.ワークを振り返って

5.全体を振り返って

 

1.即興実験学校Improlaboとは

即興実験学校Improlaboとは、即興劇(インプロ)を学びたい人が

インプロを学ぶ3つの方法である、

 

・授業を受けること

・パフォーマンスをすること

・教えること

 

のすべてを通して学べる環境を作ることを目標として

2001年9月に高尾隆さんが設立した団体だそうです。

 

高尾隆さんは、インプロの父とも呼ばれる、あの

キース・ジョンストンに師事された方だそうです。

domingolabo.net

私個人、『問いのデザイン』という書を読み、

そのなかで高尾さんのインプロについての言葉が

引用されているのをみて、知ることになりました。

 

問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション

問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション

 

実は、即興実験学校のワークショップを予約したあとに

この書を読み終え、ワークショップ当日に、

 

『あれ、この方って本で引用されてた人では』と

 

気付いたのでした…偶然(いや知っとけ)

 

2.即興実験学校に参加した動機

インプロバイザーを胸を張って名乗れるようになりたい

という目標があります。

 

しかし、インプロバイザーというものにライセンスはなく、

言ってしまえば誰でも名乗れるのが現状なのです。

 

では、名乗ってしまえばいいではないか

そう思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

これは私のこだわりの話しになります。

海外で学んだり、十数年やってきている人たちが

いる中、1年ほどで同じ名を名乗るのは、

大変恐れ多いことであり、失礼なこと

なのではないかとも思うのです。

 

また、先人のインプロバイザーの方々に対する

敬意もあります。

 

なので、そう簡単に自分はインプロバイザーである

と名乗るということはしないつもりです。

 

こんな私ですが、こんなインプロバイザーになりたい

という理想のモデルがあります。それは

 

即興パフォーマンス集団「ロクディム:6-dim+」

6dim.com

 

のメンバーの方々です。経緯の詳細はいずれ。

 

話しは次に進みます。

 

そもそもインプロバイザーになるためにはどうしたらいいだろうか

と考えていたところ、「ロクディム:6-dim+」のメンバーである

 

小田篤史さんが、助言をくださりました。

6dim.com

 

確かにライセンスがないのが現状で、多くの人は

誰かに師事したり、長いことやっていたりする。

 

色々な人のところに行ってみるのがいいかも、と

 

こういった助言を受け、私は色々な人のところへ

行ってインプロを体験し、色々な人のやり方を

まずは学んでみることを心に決めたのでした。

 

即興実験学校は、その思いのもとに飛び込んだのでした。

なので、参加動機は

 

インプロバイザーに近づくため

 

ですね。

 

 

3.ワークの内容

1)基本情報

日時:11月6日(土)16:00〜18:00

料金:2000円

場所:都内某所

人数:運営3名?参加者10名程

 

2)ワークの内容

 

①自己紹介

ひとりひとり簡単に自己紹介

 

 

②20のトビラ

二人一組になり、まず、AがBになにかジャンルを指定する。Bは指定されたジャンルをきいて連想したものをひとつ決める。

 

ここからAは、Bが連想したものを当てるために質問をしていくが、Bは「はい」か「いいえ」か「どちらとも言えない」しか言えない、というもの。

 

20の質問以内で当てるのが本来のルールのため20のトビラというらしい。

 

 

③一人の人のイメージしている物語を全員で当てるワーク

20のトビラの応用ワーク。一人の人は自由に物語をイメージする。その一人の人がイメージしている物語を、参加者全員で質問をして、どういった物語かを当てていくというもの。

 

実はこれには裏があります…

 

 

④シーンペインティング

3〜4人のグループ。空間(壁)を指定し、各々「ここに(イメージした)〇〇があります」と言って、場面を作っていくというもの。発展系として、Aグループがイメージして作っていく場面を、Bグループが再現していくというワークも行なった。

 

〜休憩〜

 

⑤マイケル・チェーホフ『センター』のワーク

ロシアの有名な俳優であり、演出家などでもあったマイケル・チェーホフが提唱している概念に『センター』というものがあります。この概念を使ったワークで、

 

「丸くてあたたかく光っているもの」が、身体の内にある、というイメージを持ちながら空間を歩行するというもの。

 

センターの位置を自由に変えてみて、身体にどう影響・変化があるかを味わいながら行う。

 

『センター』他、様々なワークとそのやり方が記載されている書がこちらです。 

 

⑥アニマル1

ベースは歩行。人間でありアニマルにも化身できる存在で、その割合をコントロールもできるというイメージ。

実際のワークは、指示された動物を指示された%で内にイメージして歩行するというもの。

 

※FEのラグズをご存知の方がいればそんな感じかも知れません。私のイメージのバイアスを与えてしまい、読者のこのワークのイメージをよくない意味で限定してしまう可能性がありますが、一応ラグズがどういうものかリンクを貼っておきます。

ラグズとは ⇒ ラグズ勢

 

肝は、人間でもあるということを忘れないこと。

 

⑦アニマル2

各々が好きなアニマルを決め、指示された割合に応じて歩行するというもの。

みている人が、何のアニマルかを当てる。

 

4.ワークを振り返って

①の自己紹介では、いつもながら参加者の名前を覚えることができない。他の参加者も自分のことはそこで覚えないだろうと思ったので、「○○のカカオです」と、呼び名の前に簡単に情報を付けて自己紹介をしてみました。

 

そうしたところファシリテーターの方がワークの途中で、「お名前なんでしたっけ」と訊ねられたので〈カカオです〉と答えたら、「ああ!○○のカカオさん」という反応をしてくださったのです。ちょっと嬉しかったですね。

 

自己紹介のあとに名前を使ったワークというのはなかったので、参加者の方々を覚えられなかったのが心残りです…いつもこうなのなんとかしたい。

 

②の20のトビラは、ファシリテーターの方が、インプロの本質に触れるようなワークだからやりたいと提案してくださりました。

 

個人的にもなるほどと思いました。

何がなるほどと思ったかですが、お題を出すときに、お題提供者のなかで

 

すでにバイアスができているということ

 

なのです。

 

その日の実際のワークの内容です。私が【甘いもの】というお題を出して相手の方に甘いものをイメージしてもらいました。私は何をイメージしたのか質問をしていきます。

 

しかし、どうもわからぬのです。

 

私はしばらくしてから、少し考え、ようやく気付きました。

 

《焼き菓子であると、勝手に決めつけている》と。

 

それに気付いてからは早かったです。「それは果物ですか」「それは赤いですか」「それは苺ですか」で正解に至りました。

 

私は未だ短い経験のなかでですが、インプロではいかに自分の考えに捉われないかが大切なことの1つだと思っています。

 

それだけではない気がするので少し考えますと、捉われるにしても、どこかのタイミングでそれに気付ける力が必要、ということかもしれません。

 

③に関しては、ネタバレになるので言わないでおきたいと思います。いつか皆さんがこのワークに出会った際に、「そういうことか!」と知って頂けたらと思います。

 

⑥からの⑦に関しては、これは定期的にやっていきたいワークだと切に感じました。⑥を行なうからこそ⑦で体験がさらに深まる感じがあり、まずこの流れがとてもよく、参考になりました。

 

そのアニマルのDNAが自身に入っているイメージで、%を変えながら歩行するだけで、だいぶ自分の動きや姿勢が変わることを実感しました。

 

ファシリテーターの説明にもあったように、役柄にアニマルを伴わせることで、だいぶ役としての深み厚みが増すだろうと思いました。

 

実際にハリウッドスターのなかには、ライオンを内に宿して役に臨んでいた方がいたとか、その他にも、別の役者で別のアニマルのイメージを落とし込んで役に臨んでいた方がいたとかがあるそうです。

 

私がこのワークを定期的にやっていきたいと思ったのは、役に深み厚みを持たせられるようになるためというのもありますが、もうひとつ理由があります。それは、

 

動物の持つ魅力

 

を纏う、醸しだせるようになるのではないかという理由です。

 

これは個人的な疑問なのですが、猫や犬はどうして我々の視線を掴んで離さないのでしょう。動物園の動物たちに、水族館の生き物たちに、どうして会いに行きたくなるのでしょう。ずっと見ていても飽きないのでしょう。

 

我々に対し、ウケをとろうとか、可愛がってもらおうとか、そういった思惑や努力があるわけでもないのに。

 

そう思っていつも考え至るのが、上記のような思惑や努力がないからなのかもしれないということ。つまり、

 

ありのまま  そのまま

 

の状態でいるからなのかもしれないと、考え至るのです。

人間も、人間らしく、その人らしく、役という人物らしく、ありのまま、そのままの状態に近い姿でいられる人ほど、魅力的なのかもしれません。と、わたしは仮説的に考えるのです。

 

ワーク中、ファシリテーターは、その動物のフリをするのではない、演技をするのではないということを何回か伝えていました。それであれ、ということなのかもしれません。

 

わたしはわたしであれ

 

そうあれれば、私生活でも魅力的かしら?

 

 

 

5.全体を振り返って

インプロの根本のところを味わい体験し、鍛えられるワークのように感じました。なので実りの多い時間となったというのが率直な感想です。

 

月に一回ワークショップを行なっているようなのでまた参加したいと思います。気になった方はこちらをチェックしてみてください。

 

improlabo.net

 

それでは