インプロジャパン〜ベーシックコース〜part5
1.ワークの内容
1)基本情報
2)ワークの種類
2.ワークを振り返って
3.全体を振り返って
1.ワークの内容
1)基本情報
回数:5回目(全8回)
料金:3610円(一回分)
※28875円が8回分の受講料です
日時:12月2日(水)19:30〜22:00
場所:秋葉原駅周辺
2)ワークの種類
①ポーズ回し ※アクション回し
②形容詞を付けての3拍連想
単語の前に形容詞をつけて行なう連想。
③10秒ジャンル鬼
ジャンルを3つほど指定。鬼は3つの中からジャンルを1つ選ぶと同時に誰かを指名する。指名された人はジャンルの中から何か1つを10秒以内に答えるというもの。ジャンルと相手は都度変更可。
④物語に入ってのYes and
設定した物語に入ったところからYes and。
⑤extendとadvance
⑥何してるの
何かしらアクションを取りながら一人の人は一言発し、それに関わる形で一人が参加する。その後少しやり取りを交わし、参加した人がどこかのタイミングで「なにしてるの」と訊く。訊かれた人は今取っているアクションと全く違うアクションをしていると答え、そのアクションを参加した人が行ない、はじめの状況に戻り繰り返す。
⑦一分間名作劇場
一分間で名作をダイジェストするというワーク。
⑧実況解説スローモーション
スローモーションで動く人を実況、解説していくワーク。
2.ワークを振り返って
①では、今回もものすごく笑ってしまいました。このワークは毎回行なうのですが、回数を重ねるごとに面白さが増していく感覚があります。
この面白さはどこから来ているのか…
やっていることとしては、相手の動きをそのまま次の人に伝えていっているということ、円になってやっているので再び元が同じであった動きがまわってきて伝えることになるということ、途中から回すアクションが増えるということ。
しかしながら、このような中で生じることとしては、ひとつ、アクションがそのまま伝わっていくということがない、ということ。
要因としては、受け取る側がアクションを受け取りきれないということが往々にしてあるということ。そのため、受け取った時点で次の人に伝えるアクションに曖昧性が伴うということ、が考えられるかもしれません。
そのため、曖昧なままに伝えなければならないという時点でアクションには変化が混じることになるのだと思います。また、曖昧さを補おうと個人の補填が入り交じる場合もあるので、大きく変化する場合もあるかもしれませんね。
そうして、このワークで生じていることのもうひとつになっていきますが、自分が送ったアクションが大なり小なりの変化を伴ってもう一度まわってくるということがあります。
考えてみると、ここに大きな面白さを感じている自分がいるような気がします。
よく、一周してきたであろうアクションに対して、「なんでそうなったw」と思って思わず大笑いしてしまうことがあります。
ここで連想した出来事です。大学院生の頃、博士後期課程の先輩の研究の手伝いで、相互なぐり描きを意味するスクイグルを定期的に複数人と行なったことがありました。
この研究で最も印象的であったのが、
「意外性」の体験です。
一緒にスクイグルを行なった相手が、自分の放った意味も何もないただの線から、思いもよらない絵を完成させてくれたときは、「そうなるのか!」「そうみえてたのか!」という意外なことへの驚きや自分がその作品に関われていること、線を活かしてくれたことなどへの嬉しさなどがありました。
自分の気持ち、こころ、感情、情動などを引っくるめて内的なものと表現しますが、突き上げるような内的な動きが生じたときには、必ずといってもいいほどにこの「意外性」の体験が伴っていた気がしました。
アクション回しの面白さについての探求の余地は沢山あると思いますが、ひとつ仮説的に、「意外性」の体験がそこにあるから、としておきたいと思います。
余談ですが、
「予想外」というのとは似ているけれどちょっと違うのかななんて思っています。
「意外性」とは、「予想外」の外にあるもののような勝手なイメージがあります。
わたしたちは普段なにげなくこの2つの言葉を使い分けているかと思われますが、はたしてどう使い分けているんでしょう?
次から次へと考えたいことが湧いてきますね…。
もうひとつ余談です。
スクイグルでの「意外性」の体験の場合にも、
相手の意図的な狙いがない
というのは、アクション回しに共通している気がします。
スクイグルでは線をみて連想したもの、イメージを具象化していくのですが、そこで面白いかどうかという基準でイメージを選別している相手は自分含めいなかったように思います。何を描くかのせんべつがあるとしても、イメージしたものをはたして具象化できるかどうか、それでも描いてみるか止めるかという葛藤によるものだったように思います。
長くなりました、次です。
②の形容詞を付けた連想ははじめてでした。形容詞を付けるだけでそのもののイメージが色づき、興味・関心の度合いが一気に高まるのを感じました。
一言の形容詞がひとつの情報をこれほどまでに拡大させるのかというのは、いい勉強で、仕事においても活きる視座になるなと思うところでもありました。
④のワークは本日の裏テーマだったかと思われます。
本当にうまいことワークのプログラムが組まれてるなと思いました。
この日のテーマは前回に続いて【深める】だったかと思います。
裏テーマですが、
【壊す】
だったように思いました。
④の物語に入ってのYes andですが、自分のペアでは、赤ずきんちゃんの世界に入って「はい、そして」と関わり合って物語を進めていったのですが、単刀直入に言うとうまくいかなかったのですね。フィードバックで相手方ともそれは一致していました。
なぜうまくいかなかったのかを自然とフィードバックの際に話し合いました。
そこででたのが、相手方としては、「自分がこうしたいということにこだわってしまった」ということ。
自分としては途中から「物語の本筋とずれてしまうと考えて提案してしまったこと」ということでした。
相手は自分なりに見えている先のプランがあってそれに持っていこうとしてしまい過ぎた、自分は物語の本筋に沿う必要はないのに捕われてそっちにもっていこうとしてしまったのです。
つまりは自分のプラン、既成の物語というものに捕われ、それらを壊すことができず、お互いに今起きていることから提案していくことができない状態になっていたのです。
基本のYes andを忘れないようにしていきたいですね。
⑥何してるのでは、コツを教えて頂きました。インプロバイザーははじめに
CROWを意識しているのだとのことです。
C ・・・Character 人物
R ・・・Relationship 関係
O ・・・object 目的
W ・・・Where 場所
これらを早い段階で設定することがコツであり、設定していない場合、後々役者同士での認識違いや矛盾が明らかになり、そのことについての説明で時間が取られてしまうことになる、とのことでした。
過去に一度インプロショーを観に行って、登場人物同士の関係性が整理できず集中できなかった記憶があります。役者の方々も混乱しているようでした。
CROWを早い段階で設定することは役者も観客もその場に集中できる状況を生み出すのにとても大切なことなのだなと、ひとつ学びました。
3.全体を振り返って
毎週行なってきたインプロベーシックコースですが、早くも5回が終わりました。
発展系のワークも増えてきたのですが、毎回行なうワークは大切だからこそ、基礎基本だからこそ行なうのであり、実際にそこに色んなワークのエッセンスがあるなぁとしみじみ感じたりしています。
インプロの基礎基本がわかったというのは自分に取っては大きな収穫です。
基礎基本は行き詰まったとき、うまくいかなかったときなどに立ち返る場所になり、また、自分の状態を振り返って客観的に評価することを可能にすることでもありますからね。
自分自身に評価という言葉を使うのはインプロでは硬い感じがしますかね?
今回はここらで
それではまた次回