カカオの演劇記録

演劇体験に関する記録です。本とかも紹介していけたらと思います。

インプロジャパン〜ベーシックコース〜part4

1.ワークの内容

 1)基本情報

 2)ワークの種類

2.ワークを振り返って

3.全体を振り返って

 

 

1.ワークの内容

1)基本情報

回数:4回目(全8回)

料金:3610円(一回分)

         ※28875円が8回分の受講料です

日時:11月26日(水)19:30〜22:00

場所:秋葉原駅周辺

 

2)ワークの種類

①パーソナルクイズ

全員で行なう。自分自身のパーソナルなことをクイズにし、当てる人たちは出題者が「はい」か「いいえ」で答えられる質問をしていく。質問時間が終わったあとに全員で答え合わせ。

 

②ポーズ回し

前の人のポーズ、動きを次の人にそのまま伝えていくワーク

 

③全員で3拍連想(お題あり)

3拍とって、3拍目にお題から連想されたワードを言っていくワーク

この日は2回やり、お題は『駅』と『森』というお題

 

④YES and(はい、そして)

お題のみ与えられたところから、ペアで提案し合いながら進んでいく

今回はペットを2人で決め、そのペットの家をつくるというお題

 

エクステンドとアドバンス

今日の肝となるワーク。二人一組になり、一人は与えられたお題で物語る。もう一人の人は、話しの中で気になったところについて「○○エクステンド」と言う。そう言われた物語る人は○○について詳細を語る。もう一人の人が「アドバンス」と言ったら物語る人は話しを展開させていく、前へと進めていく。

 

⑥サンキューゲーム(名前付ける)

三人一組。Aのポーズから連想したポーズをBは返し、静止したAとBをみてCはどのような状況にみえたかを説明する。その後Aは「サンキュー」といって抜ける。

 

⑦全員でワンシェアドストーリー

全員で行なう。お題を基に一人一文ずつ言って物語を紡いでいく。

一文というのは「〜〜〜。」で終わるようなことを指す。

 

⑧ピクチャーワンワード

2つのグループに分かれる。1つのグループは10秒でお題から連想した状況を作る。もう一方のグループは、その状況をみて、ワンワード。これを3回1セット(起承転結をつくる)

 

2.ワークを振り返って

この日のテーマは

 

深める

 

でした。

 

個人的に、本当に収穫の多い日でした。

 

では振り返っていきます。

 

①のパーソナルなことをクイズとして出題し、それを答えてもらうワークは、単純に面白かったです。

 

簡単でグループで行なえる上に、場があったまりやすいワークだなとも思いました。

 

ちなみに私は、「小学校の頃、ある出来事により先生に怒られましたが、それによって命の大切さを知ることになりました。その出来事とはなんでしょうか」といった感じのクイズを出題しました。

 

いまでも忘れられない出来事ですね。怒ってくださった先生に感謝です。

 

②の動きのあるポーズ回しは毎回恒例になっています。単純なのですが、今回なんでか大爆笑してしまいました。

 

みな受け取ったことをそのまま伝えようとしているだけなのに、ポーズが自分のところに一周してきたときには「どこでそうなったwwww」とか「それどっからでてきたwwww」と思わずにはいられないものに変化していたりします。

 

このワークの狙いは、受け取ったそれをそのまま伝えるだけなのに、意図せず変化していってしまうということを体感的に知るというところだと習いました。

 

私は、実際のインプロでも、基本的には「こうしてやろう」とか「ああしてやろう」とせずとも、このようにしっかり受け取って、しっかり返していくだけで様々な変化は起こりうるということだと解釈しています。

 

同じことでも、やる人が違えば全然違うものにみえる、というのも今回大きな発見でした。

 

例えばですが、私が『にゃんにゃん』みたいな仕草をしたとしましょう。ですが、アイドルがやったらどうでしょう。会社の上司がやったらどうでしょう。内気な人がやったら、子どもがやったら、ムロツヨシがやったら、檀蜜さんがやったら、美輪明宏さんがやったら…。

 

そして、そういった人たちから受け取って、自分が次の人にポーズを伝えていくとしたら…。

 

変わっていかない方がおかしいかもしれないですね…。

 

このように考えてみると。受け取るのは、(そして無意識裏に)受け取っているのは、ポーズだけではないことが想像できると思います。その人が持つ雰囲気とかオーラとか。

 

当たり前のようなことなんですけど、このことを知っておくというのは大切だと思いました。

 

③のお題ありの3拍連想は、今日のテーマである『深める』に、まさに適しているワークのひとつと感じました。全員で行なうのですが、周回するごとに難しくなっていくことを感じました。考えすぎたことが要因だったかなとも思います。

 

『森』について連想できるもののなにを言うか考え過ぎて、相手のワードをちゃんと受信できていませんでしたね。ゆえに相手のワードから自身の内でイメージを展開させてあげることができなかったかなと。

 

次回に活かします。

 

⑤のエクステンドとアドバンスですが、この日のワークの一番の肝だったと思います。  

 

エクステンドとは、そのものごとについて具体化、明細化することでした。

 

アドバンスとは、ワークでは物語を進める、展開させるという意味合いでした。

 

 

ワークのやり方は二人一組になります。Aがお題をもとに語り、もう一方のBが物語をきいていて、詳細が知りたいなどと思ったものについて「〇〇エクステンド」と指示を出します。

 

Aは〇〇の詳細を語り、頃合いをみてBが「アドバンス」と指示を出し、Aは物語の続きを語っていくというものです。

 

アドバンスが個人的には難しく、回数を重ねていく必要があるなと感じました。

 

けれど、このふたつを知っていると、いま物語は深められているのか進んでいるのかがみえてくるようになります。

 

先日、地域の民話を聴きにいったのですが、このことを意識しながら聴いてみたら、エクステンドとアドバンスがよくみえた気がしました。

 

臨床活動の中でもかなり活用できる意識だと思うので、持っていたい目ですね。

 

 

ワークの内容の振り返りは、今回はここまでにします。

 

最後にもうひとつだけ。

 

メンバーとの会話ででてきたことについてです。

 

⑤のワークを一緒に行なったメンバーとの対話の中で出てきたことなのですが、「言葉にしようとしすぎてイメージが追いついていない」という話しになりました。

 

なるほど、そういう体験もあるのかと思いました。

 

後日このことで思い出したのが、大学の頃のゼミで、箱庭療法で使う箱庭を使って1年間『味わうこと』を集中して学んだという経験です。

 

箱庭療法とは、内側が水色に塗られた底のある木枠に砂が入っていて、その上に自由にミニチュアをおいていくというものなんですね。(大学院生のときはこの箱庭療法で研究して論文を書きました)

 

この箱庭を使って、ゼミのメンバーのうちの二人が一組になって箱庭を作り、その作っている様子と完成された作品を他のメンバーが『味わう』ということをしていたんです(味わう力を育てていたとも言えます)。

 

次週はその作品の中のミニチュアの象徴を調べてきたり、全体の感想やらイメージされた物語をレポートにして発表し合うなんてことをしていたんですね。

 

その頃の体験ですが、学科長でもあったゼミの教授が「匂いを感じるか」「○○の音が聞こえるか」その他にも、暖かさやみえないところの動き、ミニチュアの声、味などが『味わえているか』、そういった言葉をぽろっとゼミメンバーに投げたことがありました。

 

途端に五感がひらいたようになり、風が吹いていることや、その方向や、ミニチュアの中のもの同士の関係性などがみえたりきこえたり、あたかも肌で感じられるかのような感覚を微かに感じられ始めたなんてことがありました。

 

今回行なったインプロのワークも似たようなところがあると感じました。与えられたお題を五感で味わい、それを語っていくということですね。

 

ですので、言語化については、イメージをいかに味わえるかというところも影響しているかななんて思うところです。

 

まとめると

 

言語化がイメージを広げ、イメージを味わうことが言語化を促進し、また言語化がイメージを広げ、といったようなニワトリと卵のような関係性があるかもしれません。

 

3.全体を振り返って

エクステンドとアドバンスを知識として獲得しただけでもだいぶインプロバイザーに近づいたような気がします。実際のワークで活かしたくて、もううずうずしてます

 

イメージと言語化の話しをしましたが、私は言語化を促進する、というか言語化のための発想をもたらすというのか、そのためのひとつに身体があるとも思っています。サンキューゲームなんてそのためのワークではないかなと思っています。

 

身体の持つ記憶も頼りにやっていきましょう。

 

エクステンドとアドバンスで身体を使うことも意識しながらやっていたので、ポンポン物語がでてきたのかもしれないです。

 

発想に困ったら身体を崩す!体勢を変える!

 

こういった手法を持てているのはワークをやってきたことの賜物だと考えることにして、自分を気持よくさせておこうかと思います。